第206章 あなたが浮気相手だと知られたいなら、そのまま送って

中野蓮は、ばたんと閉まった玄関の扉を見つめた。危うく、その場で泣き出すところだった。

「パパ……ぼく、何か変なこと言った?」

胸いっぱいの悔しさを抱えたまま、彼は父を見上げる。

「言ってないよ。蓮はすごく上手に言えた。ママは……ちょっと、すぐに返事ができなかっただけだ。蓮に怒ってるわけじゃない」

中野航平は片腕で息子を抱き上げ、落ち着かせるように背中をぽんぽんと叩いた。

「……ほんと?」

蓮はまだ疑わしそうだ。

「ほんとだ。蓮があんなにまっすぐ言ってくれたら、ママだって感動するに決まってる。怒るわけないだろ」

航平はそう言って、固く閉じた寝室のドアへ目をやった。何か言いかけて...

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